今年 最終の試み

 マルチアンプ方式のサウンド・バランスの要とも言うべきチャネル・ディバイダーの設定を14ヶ月ぶりに見直しを試みた。

 

 スピーカーの駆動方式をマルチアンプ方式にしてから、ほぼ17年になるが、その間に様々なスピーカー・ユニットの変更やサウンドの追い込みなどで、長くても3ヶ月以上もチャンデバの設定の変更をしない期間はなかったのではなかろうか。

 

 しかし現在は、昨年の10月に低域を100Hz、高域は3550Hzに設定変更して好結果を得て以来、先日までの約14ヶ月もの間、様々なジャンルで充実したサウンドを聴かせてくれたこともあって、デジチャンの設定を変える必要性を感じることはなかった。

 

 これは小生の長いマルチアンプにおける変遷の中でもかつてないことなのであるが、考えてみればこの間はコロナでオーディオ・イベントやオフ会もなく、拙宅以外のサウンドと比較して聴く機会も無かったことから、設定の見直しのきっかけもなかったからともいえる。

 

 コロナ感染も落ち着いてきて、試聴会イベントやオフ会も再開され、先月開催されたオーディオ・セッション、と更にその後に再び気になっていたスピーカーを試聴会などで聴いたサウンドが刺激となって、新しいバランスへの見直しをしてみようと思ったのである。

801D4試聴会


TAD-EX試聴会1


TAD-EX試聴会2 

 

 具体的には、久々にJBLサウンドなどを聴いて、もう少し中高域にインパクトがあっても良いのではないかとの思いが募ってきたのである。

 

 30年以上もJBLのホーン・システムを聴いてきて、現在のダイレクト・ラジエーター・ユニットに宗旨替えをした経緯の中で、ジャズ演奏等で時としてホーン・システムの強烈なインパクトが欲しいと感じることは少なくはなかったのであるが、そのインパクトの強さが他のジャンルで逆効果になることも充分に承知しているだけに、永年その落としどころにはかなりの腐心をしてきたのも事実である。

 

 拙宅の「STS-Ultimate」のツィーターは、Accutonブランド30mmCellConceptタイプのダイアモンド・ツィーター(BD-30)であるが、このツィーターの下限は1800Hzから使えるのであるが、様々な経緯を経て現在は、3550Hz以上で使っているのであるが、これを2000Hz近くまで下げることで、中高域のインパクトの向上を目指してチューニングを試みることにした。

 

 ツィーターをBD-30に変更した当初は2000Hzに設定して使い始めたと思うのであるが、あれから2年以上経過して、周辺の環境も変更しているので、再度クロスオーバーを2000Hz2500Hz2800Hzの3パターンを設定・チューニングして試聴を開始した。

 

2000Hzではカウント・ベイシーの様なナローレンジのオールドジャズでは素晴らしい結果で、チューニングのつもりが、しばし聴き込んでしまう程であった。

 しかし、曲やジャンルによっては、かなり好結果なのであるが、特にワイドレンジな音源になると高音域が耳についてくるのである。様々なジャンルで音楽的な感動レベルのバランスを得るのは大変難しい。

 クロスオーバーの変更で、その時は新しい再生バランスの発見かと思いきや、日を変えて聴き直すと納得出来ないバランスの繰り返しなのである。

 

 人の聴覚は、脳によってサウンド・バランスを平準化させるので、数日に渡って評価しないと決められないところが、このマルチウェイによる各ユニットのバランス設定の難しいところである。

 

 この試聴をまる1ヶ月かけて、3つのパターンをトライしたのであるが結局、現在の設定値である3550Hzのクロスオーバーのサウンドを凌駕することは出来なかった。

 やはり、ミッドレンジをシングルコーンの様に可能な限り再生帯域を広げ、不足する音域をウーファーとツィーターでカバーする現在の設定が、もっとも音楽的に有効なクロスオーバーの設定であると納得している。

 

 今回のクロスオーバーの変更は、ユニットが受け持つ音域が変動するのであるが、アナライザーで直接音を計測しても周波数特性に目立った変化が見られないのである。

 もちろん、クロスオーバーの変更による指向性が変化して、30°、60°特性の変動要因もあって間接音も変化するので、その変化によって、間接音も含めた音楽表現のニュアンスも変わるので、人の耳と脳は敏感に変化を感じているということで、改めて訓練された人の感性には改めて凄い能力を感じさせられるのである。

 

 先月には、MJ誌にスピーカーの製作記事を掲載されていた鈴木康平氏のスピーカーが完成したとのことで、そのサウンド聴かせていただいた。

 特性を最優先して設計・製作されたスピーカーであるが、そこでも最後は人の感性によって音楽的な詰めが残る課題を改めて感じさせられた。

鈴木康平スピーカー製作記事 

 クロスオーバーの見直しと並行して、サブスク音源のBluesound Node 2iストリーミング・プレーヤーのサウンドも追い込んできた。

 

 COAXIALによるデジタル接続で使っているが、再生経路の様々な見直しで随分とNASによるファイル再生のレベルに近づいてきたのであるが、なかなかファイル再生のレベルを超えるまでには至らなかった。そんな状況から、今まではサブスク音源をCDショップの試聴用音源の役回りで、よい音源と出会えばそのCDを購入してNASにリッピングしてきた。

 

 今月になって国内でもBluesound Node 2i CPUの高速化とS/N比も3dB程度改善された後継機であるNODEが発売されたので早速に調達した。

Bluesound NODE


 結果、Amazon-HDHDモードでもファイル再生と同格のサブスク音源と思えないくらいの鮮度が得られるようになった。

 いよいよBluesound NODEでCDを調達する場面もかなり少なくなると期待できる。

 残念ながら、NODEによるNASのファイル再生については、音質、操作性ともLUMINには及ばないので、Amazon-HDのストリーミング音源とNASによるファイル再生と並行して音楽を楽しんでいきたいと思っている。

 

 まだ、NODEにしてから日が浅いが、来年にはストリーマーだけでも充分な音源としてオーディオライフを楽しめそうであると同時に、今後このサブスク音源のサービスの拡大と再生環境についても様々な新製品の登場が予想されるであろう。

今後、音源の再生環境もサブスク音源を中心に本格的な変革の時代に入っていくことは間違いない。

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