一泊オフ会
久々に充実したオフ会となった。
ストーン・スピーカー「STS-Ultimate」のストーン・チューブとツィーター部分のハウジングの制作は埼玉県の石材店である野中石材店「ストーン・テクノ」に依頼した。
石材製のホーンの制作などでご存知の方も少なからずおられると思うが、その代表者である野中芳郎氏と5年ぶりに連絡がついて拙宅を訪問していただくことになった。
「STS-Ultimate」の石材によるウーファーの制作にあたってストーン・テクノにも打診したのであるが連絡がつかず、結局近くの石材店を通じて中国系石材業者「グレートストーン」の福建省工場で制作することになった。
ストーン・スピーカーの完成後も野中氏と連絡が取れず、もうすぐ5年を迎えるが先日まで制作者にお披露目が出来ないままでいた。
完成後5年間にユニットを2回変更してSTS-LimitedからSTS-Ultimateにアップグレードして現在に至っているが、エンクロージャーがすべて石材製でサウンド的にもそれなりの評価を得たということで、「スピーカー技術の100年」の著者である佐伯多門氏から石材製エンクロージャーのスピーカーの成功例として掲載したいとの誠に名誉な連絡を受けたこともあって、是が非でも制作に関わって頂いた野中氏にもその旨を伝えておきたかったのである。
野中氏とは永年連絡がつかなかったのであるが、石材店経由でようやく連絡がついた。
連絡が途絶えたのは、ご高齢で一線を退かれたこともあってメール・アドレスを変更されていたのが原因のようで、連絡がついてストーン・スピーカーのお披露目を打診したところ、二つ返事の快諾で拙宅を訪問されることになった。
友人のY氏とお二人で、早朝に自宅を出発され東京駅7時すぎの新幹線で京都駅には9時半には到着されるという熱心さである。
お二人ともご自宅ではホーン・システムによるマルチ・アンプ・システムを構築されていこともあり、当方のマルチアンプ・システムの構成もよく理解していただけたが、精緻にタイム・アライメント調整したダイレクトラジエター・ユニットよるマルチ・アンプのシステムや28cmのシングル・ウーファーによる重低音再生など、一般的なホーン・システムとは随分アプローチの違う手法で追い込んだサウンドに関心を持たれた様だ。
様々なジャンルの音源を聴いていただいて、夕刻からは近くの天然温泉で旅の疲れを癒やしていただいてから、近所の行き付けのイタリアンでディナーとなった。
ディナー後は、お持ちいただいた音源での試聴と、LUMIN P1によるAmazon-Musicによるストリーング音源の試聴をしていただいた。
拙宅で宿泊をしていただいた翌日は、朝食後にオルガンを中心としたe-onkyoやBlue-Rayでサラウンド音源を聴いていただいてから、小澤征爾指揮の幻想交響曲をプロジェクターの映像付きで鑑賞いただいた。
帰宅までに5時間は要するということで、14時過ぎの新幹線で帰路につかれるので午前中でオフ会はお開きとなったが、2日間による拙宅のシステムでアナログ盤の演奏以外のフルコースを聴いて頂いた。
これでストーン・スピーカーの完成後、心残りであった制作者へのお披露目も叶ったことを大変嬉しく思っている。
後日、拙宅でのオフ会に対する感想を長文のメールで頂いたが、野中氏の永年のオーディオへのスタンスや見識の高さに感銘を受けた。
その中で、拙宅のサウンドを「あたかも渓流の清冽な水の様に透明で無色な印象」で「Yさんと私が二日にわたって楽しませていただいた音楽は、今年最大の収穫であり、長く記憶に残るものになった」との評価をいただき、遠路はるばる訪問をいただいた甲斐があった様で安堵した。